山田くんの養蜂講座 第31回 10月の飼育のポイント2 産卵圏の確保

山田くんの養蜂講座第31回では、10月の飼育のポイント2、産卵圏の確保に関して説明します。

9月中旬、外気温が30度を下回り始めると女王蜂の産卵は活発になり、10月になると働き蜂が羽化し働き蜂の数は増え始めます。コスモスやセイタカアワダチソウなどが開花するため産卵は9月よりも活発になります。越冬を考えると9月、10月にどれだけ働き蜂をふやすことができるかが非常に重要となるため、10月も9月同様、子育てしやすい環境作りが鍵となりますが越冬を見据える必要がある点が9月とは異なります。

子育てをしやすい環境作りのためのポイントは3つです。

ポイント1、巣碑枠の整理
ポイント2、産卵圏の確保
ポイント3、働き蜂の密度

今回はポイント2、産卵圏の確保に関して説明します。


10月になると産卵圏に蜜が貯められてしまう産卵圏の圧迫が起きやすいです。産卵圏が圧迫されると産卵が行われず群は失速してしまいます。産卵圏圧迫を起こしやすいのがイタリアン系です。イタリアンは急な流蜜に上手く対応できず、産卵圏に蜜を溜め込みやすいです。一方、カーニオラン系は上手く対応しどんどん巣を作って行きます。産卵圏圧迫の原因となる蜜源植物はセイダカアワダチソウや蕎麦などがあります。


↑開花し始めたセイタカカアワダチソウの様子。


↑満開の蕎麦の様子。

蜂場の半径2kmにセイタカアワダチソウなどがある場合は、開花状況をしっかりと把握して下さい。そして、産卵圏が圧迫され始めたら直ぐに採蜜をして産卵圏を確保しましょう。

↓若干産卵圏が圧迫されている産卵スペースの巣碑枠の様子。


産卵圏圧迫開放のための採蜜の注意点

開放するための巣碑枠の上部に蜜蓋がされている場合は、蜜蓋は切り落とさず採蜜を行なます。蜜蓋を切り落として採蜜すると越冬時に孤立餓死の原因になります。