山田くんの養蜂追加基礎講座3 巣箱の設置場所に関して
この講座では巣箱の設置場所に関して詳しく説明します。養蜂を始めたばかりの方からもっとも多く寄せられる質問の1つに巣箱の移動があります。
巣箱の日当たりが悪い。隣と近すぎた。近所からクレームが来たなど理由は様々ですが、巣箱の移動に関する質問が多いです。蜜蜂は巣箱の場所を覚えているので、巣箱の移動は簡単ではありません。巣箱の設置場所は慎重に考えましょう。巣箱の設置場所を選ぶ5つのポイントを紹介します。
巣箱の設置場所を選ぶ5つのポイント
ポイント1、風通し
蜜蜂は高温多湿が苦手です。多湿を避けるために風通しが良い場所を選びましょう。
ポイント2、湿度が低い
先ほどお話をしたように蜜蜂は高温多湿に弱いので、巣箱の設置場所は湿度が低い場所を選びましょう。水はけの悪い湿度が高い場所に仕方なく設置する場合は、巣箱を地面から30cm前後離れるように台の上に設置しましょう。
ポイント3、落葉樹
広葉樹は、夏の直射日光を遮り、巣箱の温度が上昇するのを防ぐなどし、暑さから蜜蜂を守ってくれます。冬になると葉は落ちるので、巣箱に日光が上がり、巣箱の温度が上昇するため蜜蜂を寒さから守ってくれます。このように広葉樹の下は巣箱を設置する最適の場所です。
↑栗の木の下に設置した巣箱の様子。私が理想とする環境です。
ポイント4、方角
巣門が東、または南を向くように設置しましょう。巣門を北や西向きに設置すると活動を開始する時間が遅くなってしまうとされています。
ポイント5、人目に付かない
人目につく場所はトラブルの元です。蜜蜂は害をなしていないのに、姿が怖いから巣箱を移動させて欲しいと言われた養蜂家がいます。人目に付かない場所に設置しましょう。
以上がポイントの説明です。
補足:巣箱を2箱以上設置する場合のポイント。
巣箱を2箱以上設置する場合は、蜜蜂が巣箱を間違えないように設置することが重要です。病気、ダニの蔓延の原因の1つが巣箱を間違えることにあるからです。
間違えを防ぐために、巣箱の間隔は最小でも1m開けます。そして、隣り合う巣箱の巣門の向きを例えば、東と南になるようにします。さらに滑走路や巣門付近に色を塗ります。この他に巣箱を設置する台の高さを変えることも有効です。
碁盤の目のようなレイアウトに巣箱設置すると、管理の効率はよくなりますが、蜜蜂は巣箱を判別しにくくなります。蜜蜂の目線に立って巣箱のレイアウトを考えましょう。