山田くんの養蜂講座第16回チョーク病
養蜂講座16回ではチョーク病に関してお話します。6月梅雨の季節です。梅雨の季節にもっとも気をつけたいのがチョーク病です。チョーク病とは何か、そしてチョーク病の防ぎ方を紹介します。
チョーク病とは
真菌(カビの一種)の感染が原因で起きる病気で、蜂児がチョークの様に白く固くなり死ぬ届出伝染病の1つです。チョーク病が直接の原因で全滅することは稀ですが、重症化した場合は、働き蜂の数が増えないので群が弱体化してしまいます。
チョーク病が発症しなやすくなる原因
ダニの感染拡大などで働き蜂の数の減少すると巣碑枠の温度が維持できず発症することがあります。その他に、湿度や温度の急激な変化、餌不足になった時にも発症しやすいです。
チョーク病を防ぐための3つのポイント
ポイント①ダニ対策
チョーク病の最大の原因はダニの寄生です。ダニに寄生されていないか定期的に粉砂糖法を行い確認し、寄生率が危険水準を超えたら薬の投与などの対策を行ないましょう。
ポイント②温度、湿度の上昇を防ぐ
巣箱の温度、湿度の上昇を防ぐため、巣箱を直接地面に置かず高さ10~30cmほどの台の上に設置して下さい。また、巣箱に雨が直接かかるのや直射日光を防ぐため屋根を設置しましょう。蜂場の草をこまめに刈り、風通しをよくすることも大切です。
ポイント③女王蜂
チョーク病になりやすい女王蜂がいます。チョーク病になった群に雄房ができた場合は切り取って破棄しチョーク病の血統が広がらないようにします。また、チョーク病の群からは割り出しを行わず、健康な群の王台を導入するなどして血統をコントロールしましょう。
チョーク病になった場合は
チョーク病になった場合は衛生的な環境を作り出し菌の繁殖を抑え込むことが重要です。菌の繁殖を抑えるための4つのステップを紹介します。
ステップ①巣碑枠の処分
チョーク状になって死んでいる蜂児のある巣碑枠は諦め全て捨てます。※立ち上がりが厳しくなる場合がありますが巣碑枠を捨てないと再発するリスクが高くなります。
ステップ②巣箱を新しい物に交換する
巣箱を綺麗な物と交換しチョーク病が発生した巣箱は洗浄し、アンテックビルコンなどで消毒します。
ステップ③巣門の前を殺菌する
巣門の前をガスバーナーなどで殺菌して下さい。
ステップ④給餌を行う
餌不足でチョーク病になっている恐れがあるので、砂糖水と花粉をしっかりと与えます。
以上がステップの説明です。
以上のステップを行っても完治しない場合は、女王蜂に交代してもらいます。
21年6月2日改編