山田くんの養蜂講座15回採蜜の5つの注意点
採蜜は養蜂にとってもっとも重要なイベントの1つで非常に心踊りますが、蜜蜂にとっては命がけで集めた餌をとられることを意味します。
蜜蜂1匹が一生の間で集められるのはティースプーン1杯のハチミツだと言われています。そのため、私は採蜜を行う時はいつも「ご苦労様、わけてもらうね」と声をかけて行なっています。今回は、採蜜の注意点を5つ紹介します。
注意点1:水分量
巣碑枠の高さの3分の1以上に蜜蓋がされた蜜枠から採蜜を行ないましょう。蜜蓋がされていない部分は水分量が多く、糖度が79度を下回る恐れがあります。蜜蓋のかかり具合をしっかりと把握しましょう。
↑蜜蓋がされ採蜜可能になった巣碑枠の様子
注意点2:産卵スペースの確保
隔王版を使用している場合は産卵スペースが単箱に限定されます。産卵スペースが足りなくなれば分蜂が起きます。産卵スペースを確保するため、採蜜を終えた巣碑枠は単箱に戻し単箱から蓋蜂児枠を継箱に移し産卵スペースを確保して下さい。
注意点3:女王蜂
巣碑枠に女王蜂が付いていないかを確認し働き蜂を振るい落として下さい。女王蜂を振るい落とすと内臓破裂で死ぬ場合があります。
注意点4:振るい落とす場所
蜜枠の働き蜂は巣門の前に振るい落とします。働き蜂が土に触れると病気になりやすくなるので、巣門の前に板や新聞紙などを敷いてそこに振るい落とします。
↑巣門の前の新聞紙の上に振るい落とされ巣箱に歩いて帰る働き蜂の様子
注意点5:限界までしぼらない
巣箱の中が空になるまで絞ると雨が続いた時や急に流蜜が止まった時などに大きく調子を崩す原因となります。巣箱の中には一定量の蜜が残るように欲を出しすぎないようにしましょう。また、いつ採蜜を終えるのかも非常に重要です。最後の蜜源植物は何か、いつ咲くのかなどをしっかりと把握しましょう。
以上が注意点の説明です。
Q&A
本講座に関係があるよく頂く質問とその回答を紹介します。
Q:蜂児が居る巣碑枠の蜜は絞らない方が良いですか?
A:絞らない方がよいです。蜂蜜に蜂児の体液が混じる恐れがあります。また蜂児が死んだり奇形になる恐れがあります。
Q:空になった巣碑枠は戻すのですか?
A:はい。巣箱に戻して下さい。
21年6月2日改編