2020年 12月の山田くんの養蜂日記
私は、多産、温和、安心安全にこだわり種蜂の育成を行っています。弊社の種蜂をご購入頂いたお客さんを笑顔にしたい!種蜂なら山田くんの養蜂場と言われたい!そんな想いを抱きながら毎日の作業に励んでいます。山田くんの育成日記ではその様子を紹介します。
21年春販売の種蜂のご注文は2020年12月10日から受付けを開始しています。詳しくは種蜂の販売ページをご覧下さいませ。
山田くんの種蜂
西洋蜜蜂 捕殺器洗浄終了 2020年12月28日
【主な作業:巣箱作成、見回り、捕殺器洗浄】
巣箱作りから始め、見回り、捕殺器の洗浄の順で作業しました。山のように積んであった捕殺器、やっと洗い終わりました。後は倉庫に片付けるだけです。
不定期開催Q&Aコーナー
Q:12月25日頃から蜜蜂の出入りが少ないです。問題ないでしょうか?
A:外気温は何度でしょうか?12度前後あれば脱糞などに出かけます。12度以下の場合は、巣箱の中でじっとしています。まずは温度を確認しましょう。12度以上あるのに全く出入りが無い場合は、蓋を開け生きているか確認しましょう。
Q:養蜂を始めたいです。私でもできるでしょうか?
A:蜜蜂は飼育届けを提出し、種蜂を購入すれば誰でも出来ます。ですから、できるかできないかではなく、やるかやらないかではないでしょうか。少しでもやりたいと感じたられた場合は趣味、業関係なくまずは養蜂を行う目的を考えてみましょう。その目的が明確な場合は、思い切ってトライして下さい。
西洋ミツバチ 捕殺器を洗う 2020年12月27日
【主な作業:見回り、捕殺器の洗浄】
年末はかなり強い寒波が来るようですが、今日はとても暖かく蜜蜂は活発でした。見回りを行い、軽くなり始めた群の空巣と蜜枠の交換を行いました。
↑↓活発に飛び回る蜜蜂。年末年始の寒波を頑張って乗り切ってね。
↑巣箱の出入りが少ない群は、蓋を少しだけ開けて様子を確認。中が冷えないように素早く行います。蓋を開けた刺激に反応し蜜蜂が上がって来ました。元気で何よりです。
見回りの後は捕殺器を洗いました。3時間もあれば洗い終えられると思っていましたが、3分の2を洗い終えた時点で日暮れ。タイムアップです。
西洋蜜蜂 部品の搬入、給餌器の洗浄消毒 2020年12月26日
【主な作業:給餌器の洗浄消毒】
巣箱90箱分の部品と修正をお願いしていたる部品を搬入して貰えました。1月末までに90箱を作ります。
部品の搬入の後は、給餌器の洗浄です。まずは汚れを高圧洗浄機で除去し、その後アンテックビルコンSの希釈液にて消毒。
↑アンテックビルコンの希釈液に浸して消毒する給餌器の様子。希釈液につけた後は、水で洗い流して乾燥させます。
↑洗浄、消毒を終えた給餌器の様子。
※給餌器の洗浄消毒の行い方をまとめた講座を作りました。今までの講座よりも、より具体的に分かりやすくすることを目的にしています。一度ご覧下さいませ。
給餌器の洗浄消毒の仕方はこちら
西洋ミツバチ 恩返し 2020年12月25日
【主な作業:倉庫の片付け、年末の挨拶】
本日は雨。巣箱は開けられないので、見回りと、倉庫の片付け、地主さんに挨拶をしました。
↑車に積んだエコポカ。今年から冬囲いを辞めたので、不要になったエコポカを廃棄して来ました。
片付けを終えた後に、蜂場の地主さんに年末の挨拶に伺いました。挨拶に伺うと、ご家族の方が地主さんは先月に亡くなられたと言われ非常に驚きました。
例年通り年末の挨拶をして、いつもの笑顔が見られると当然のように思っていました。
人は繰り返しを経験すると、その繰り返しがずっと続くように思ってしまいますが、それは錯覚でしかないということを改めて感じました。
私は多くの方に支えられているおかげで、今日も養蜂を行っていられます。その方達への恩返しに何が出来るのだろうかと、いつも悩みますが、健康、多産、安全な蜜蜂を育てることが一つの恩返しになると思っています。
山田さんとこの蜂、評判いいらしいね。土地貸して良かった。と思って頂けるように、受けた恩に応えられる人間になるために、これからも1日1日を大事にし、繰り返しではなく、日々を、想いを、積み重ねて生きたいと気合が入りました。
お世話になった地主さん。心からご冥福お祈りいたします。本当にありがとうございました。
西洋蜜蜂 巣箱作り ひと段落 2020年12月24日
【主な作業:巣箱作り】
今日は7枚箱の胴体に蓋と底板をはめ、7枚箱を仕上げる作業を行いました。当初の予定よりも少し遅れましたが、7枚箱作りはひと段落。
↑完成した7枚箱の様子。仕上げ作業の最中、蓋が1つ閉まりません。釘が出ているのか?原因は何だろうかと裏返すと、
↑なぁーーーにぃーーーやっちまったなぁ。蓋の枠の上下を間違えたため、巣碑枠の押さえが干渉していました。このミスは初めてです。恥ずかしい。
西洋ミツバチ アピバール撤去 捕殺器回収 2020年12月23日
【主な作業:巣箱作成、アピバール撤去、捕殺器回収】
●巣箱の作成
現在7枚箱の胴体を組み上げる作業を行っています。
↑組み上げた胴体。やっと終わりが見えて来ました。
●アピバールの撤去
今年はギ酸を主にダニ駆除を試みましたが、気化剤は効果が不安定で一部でダニが残ってしまいました。残ったダニの駆除にはアピバールを使用し6週間が経過したので撤去しました。
ダニの駆除は本当に難しく、雄房カットや駆除剤を組み合わせていますが全滅してしまうことがあります。
春から養蜂を始められる方は【ヘギイタダニ】の駆除の流れや薬などを今から学んでおくことをお勧めします。※ダニ対策の講座を近く、もっと分かりやすくするため改編を予定しています。
●捕殺器の回収
昨日巣箱の片付けが終わり、スペースが出来たので捕殺器を回収しました。捕殺器を洗って、蜂場の草刈を終えれば今年の外での作業は終わりです。
↑回収を終えた、捕殺器。山のようになっています。この山が後2つ程。年末までに洗い終えねば(T_T)
西洋蜜蜂 内検と巣箱の片付け 2020年12月22日
【主な作業:内検、巣箱の片付け】
寒気が緩み、温かい時間のある恵まれた一日となりました。今日は内検と巣箱の片付けです。
●内検
春へのダニの持越しを可能な限り少なくしより健康な蜜蜂をお届けするため最後の有蓋蜂児になるまで内検をすることにしたので現在でも気温が高い日は内検しています。
最後の有蓋蜂児になっている群、まだまだ産卵が続きそうな群と状況はバラバラです。
最後の有蓋蜂児は切り取りダニの寄生状況を確認します。犠牲にする蜂児には申し訳なく思いますが、ダニから群を守る為の犠牲になって貰っています。ごめんなさい。
●巣箱の片付け
蜂場の隅で乾かしていた巣箱。洗浄後に雪が降り、中々乾いてくれなかったです。やっとしっかりと乾燥したので倉庫に片付けました。
西洋蜜蜂 雪下ろし 2020年12月19日
【主な作業:巣箱作り、見回り】
今日の作業は2つ。巣箱作りと見回り
●巣箱作り
7枚箱の胴体の元になる箱を30個作りました。(下記写真)
●見回り
今日は少しだけ気温が高い時間があり、その間は蜜蜂は脱糞飛行などに出かけていました。
↑気温が上がり、巣箱に出入りする蜜蜂の様子。元気な姿を見ると心が緩みます。春は遠いですが、蜜蜂と一緒に1歩づつ歩んで行きます。
見回りでは、電気柵の電圧の確認、屋根の雪下ろし、貯蜜が心もとない群の空になった巣碑枠と蜜枠との交換作業などを行いました。
西洋ミツバチ 10枚箱出荷 2020年12月18日
【主な作業:巣箱作り】
本日は7枚箱の胴体を作りました。
↑完成した胴体。残すは30個。
巣箱を作り終えた後は、10枚箱を出荷しました。
↑出荷した10枚箱の様子。巣箱の注文は21年2月末から再開する予定です。
西洋蜜蜂 大雪の後の見回り 2020年12月17日
【主な作業:見回り、巣箱作成】
寒波のピークが過ぎました。12月の積雪は久しぶりです。蜜蜂の様子が気になりますが、蜂場までの道路が凍結している恐れがあったので、気温が上がるまでは巣箱を作りました。
今日は7枚箱の胴体の作成。10枚箱同様、巣門の幅の調整機構がもっとも難しいです。
↑7枚箱の機構は10枚箱と違って伸縮します。
↑巣門は殆ど閉めることが出来るので、10枚箱よりも簡単にお好みの幅に調整できます。
山田くんの巣箱を継箱として使用する場合などで、巣門を閉じたい場合は、
↑輸送用換気窓を少し上に上げると穴が開いています。
↑そこに25~32mm程度の長さの釘を刺し、
↑換気窓を塞ぐ板を降ろせば、巣門は塞がります。
↑完成した7枚箱の胴体の様子。
気温が上がったので見回りに出かけました。大きな被害は無かったですが、電機柵の一部が竹で覆われ、支柱が折れてしまっていました。
↑雪化粧した蜂場の様子。蓋が飛んだり、巣箱が倒れるなどの被害が無く無事寒波を乗り越えてくれました。
↑雪の重みで倒れた竹。下敷きになった電気柵の支柱が折れていました。
↑竹を切って、支柱を交換した後の様子。電気柵の線が雪の重みで弛んでいたり、線に雪が引っ付いていたので、雪を取り除き張り直しました。
西洋ミツバチ 越冬最終準備 2020年12月14日
【主な作業:巣箱作成、見回り、越冬の最終準備】
作業の様子
①越冬の最終準備
明日から寒くなるようなので慌てて越冬の最終準備、巣門の幅の調整を行いました。捕殺器を取り外し、巣門の幅を2~3cm程度に狭めました。
↑作業の刺激で顔を出した働き蜂の様子。
冬囲いは必要なのか?以前から疑問でした。最近『冬は冬らしく寒くする方が、蜜蜂にとって良い』という考え方を目にすることが多くなったので、今年から冬囲いは止め、巣箱内部には新聞紙を詰め、巣門を狭くし寒風が巣箱に入らないようにするだけにしました。
与えることは奪うこと、無くすことは得ること。健康な蜜蜂を育てるためにと色々な努力をしていますが、その努力が蜜蜂に悪影響を与えているかもしれないといつも思っています。そのため、可能な限り自然な状態になるように手を入れるのは必要最小限にし、蜜蜂のポテンシャルを最大限に発揮できるようにすることが最近の目標です。今回の変更もその一環です。
話は変わりますが、捕殺器を取り外した時に200匹前後の働き蜂が死んでいる群がありました。盗蜜(正確には盗蜂)を疑いましたが、貯蜜は充分。となると薬害?この時期に農薬散布は考えにくいです。原因は不明でしたが、全滅は免れたのでよしとしました。
養蜂は我慢の連続です。もし今回が薬害だとしても防ぐ方法は移動しかありません。原因が分かっても対応できるとは限りません。養蜂はとくにその傾向が強いです。
②巣箱の作成
10枚箱の仕上げ作業(胴体に底板と蓋を取り付ける)を行いました。
↑完成した10枚箱。10枚箱はこれで終わりです。次は7枚箱の作成。まずは金網の取り付けからです。
↑換気窓の金網はタッカーを使って取り付けます。
↑タッカーで取り付けると金網の端が浮きます。このままだと蜜蜂が傷つく恐れがあるので、ハンマーで叩きます。
↑ハンマーで叩いた後の金網の様子。これで蜜蜂が傷つきにくくなりました。巣箱という巣を収納する箱というイメージになりやすいですが、蜜蜂が生活を営むとても大切な家です。そのため作業時は、家ということをしっかりと認識しつつ、ここで生活する蜜蜂とこの箱で養蜂を行なって下さる養蜂家さんの顔を思い浮かべながら、丁寧に作っています。
↑金網を付けたら、巣碑枠の受けを付けます。内検時に蜜蜂を傷つける恐れがあるので、不要としたいのですが、移動時の釘打ちをしやすくし、巣碑枠を固定しやすくするために受けはつけています。
③その他の作業
色を塗った滑走路にL型金具を取り付けました。
↑カラフルになった滑走路の様子。ダニの拡散防止、病気蔓延防止の基本の1つは巣箱を認識しやすくすることです。今年は色紙を貼りましたが、貼る手間を除くため滑走路に着色することにしました。
西洋蜜蜂 10枚箱の作成 2020年12月13日
【主な作業:巣箱作成】
本日は10枚箱の胴体を作成しました。やっと10枚箱の胴体作りが終了しました。胴体で一番気を使うのが、巣門の幅を調整する機構の作成です。しっかりと機能するためには、釘を垂直に打つ必要がありますが、垂直が非常に難しいです。
↑山田くんの巣箱10枚タイプの巣門の様子。
↑巣門の幅を調整する機構を下ろし、巣門を狭くした時の様子。巣門の幅は群の状態や気温などに合わせて調整することがとても重要です。簡単にいつでも調整でるように、巣箱自体に調整機能を持たせました。
↑さらに狭くしたい時は付属の木片を使います。
↑木片の片側はL字になっていて、微調整ができます。
西洋ミツバチ 巣箱の洗浄 2020年12月12日
【主な作業:巣箱作成、内検、見回り、巣箱の洗浄】
温かい冬となっていますが、この温かさは後2日で終わりのようです。いよいよ本格的な冬が訪れます。今日は10枚箱の胴体の作成、内検、見回り、巣箱の洗浄を行いました。
最近熊を見かけたというニュースが少なくなって来ましたが、油断は出来ません。1日1回は必ず見回りをしています。熊の被害は出ていませんが、猪の被害が発生しました。
↑水没対策用の溝の一部が猪によって崩されてしまいました。寒くなったら土を取り除く予定です。
今年は内検を例年以上に徹底して行っているので、巣箱の洗浄、捕殺器の撤去、洗浄などの作業が大幅に遅れて、本日やっと全ての巣箱を洗い終えました。
↑洗浄中の巣箱。高圧洗浄機で洗っています。上半分が洗い終えた部分。高圧洗浄機だと汚れが簡単に落ちます。本当はボイラー搭載タイプが欲しいのですが、とても高価なので手がでません。
↑洗い終えた巣箱はしっかりと乾燥させ倉庫に保管します。
西洋蜜蜂 蜂児トラップ 2020年12月11日
【主な作業:巣箱作成、内検、見回り】
本日は10枚箱の組み上げ作業と内検を行いました。
●巣箱作りの様子
↑胴体に底板を取り付けます。胴体と底板は脱着できるように釘2本で固定しいます。
↑袴に下穴を開け、32mmの釘で固定。
↑釘がひっかかからないようにマスキングテープで保護。
↑焼印を押し、蓋を合わせたら完成です。
↑完成した10枚箱の様子。美しく仕上がるように心を込めています。
●内検の様子。
現在は産卵の停止するタイミングを見計らい、蜂児トラップを実行しダニを駆除するための内検を行っています。
春にダニを持ち越さないために今年から始めたのが、最後の有蓋蜂児を使った蜂児トラップです。最後の有蓋蜂児には通常よりも多くのダニが寄生する傾向にあるので、それを切除することでダニを一掃できると教えて頂きました。
現在の産卵具合は、既に産卵を終えた群、来週中には終わりそうな群、年末まで続きそうな群とバラバラのため丁度よいタイミングで内検するのが中々難しいです。
↑産卵していそうな巣碑枠を取り出し、産卵の様子を確認。卵が無く、有蓋蜂児が確認できれば、有蓋蜂児を切除します。
↑タイミングが合わず多くの最終蜂児が羽化してしまった場合は、残りの蜂児を取り出し、ダニの寄生具合を確認します。
内検時には貯蜜量も確認します。今年はとても温かく、産卵が活発な群が多いです。産卵が活発なのはいいことですが、温かいからといって蜜源が増えるわけではないので、気をつけないとあっという間に餓死です。
↑一見貯蜜量が充分に見えますが、産卵している上部に貯蜜が全くありません。寒くなると産卵部分で蜂球を作るため、蜂蜜が貯蔵されているのに餓死してしまいます。これを孤立餓死と言います。早急に餌を与えるか、蜂が触れられるように蜜枠を入れる必要があります。
↑蜜が全面に溜められた蜜枠を追加する場合向きはありませんが、写真のような蜜枠をいれる場合は向きが非常に重要で、蜜に蜂が触れられるようにします。蜜に触れられないと孤立餓死します。
↑来週に寒波が到来するようなので巣門の幅を狭くして内検は終了です。
↑巣門を狭くした山田くんの10枚箱の様子。ご購入頂いた方から木片は何に使うのかとよく質問頂きますが、巣門を狭くするために使います。
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